2016年2月24日水曜日

西沙諸島に、中国が戦闘機を派遣

Q:南シナ海情勢なのですけれども、西沙諸島に、中国が戦闘機を派遣したという報道がありまして、ケリー国防長官も米中の外相会談で、戦闘機や対空ミサイルとか、そういったものが配備されていると懸念を表明していますけれども、これについて防衛省としてはどういう事実関係を把握していますか。

A:報道で、中国が南シナ海のパラセル諸島とウッディー島に戦闘機を派遣したという報道は接しております。昨今中国は、ベトナム等で領有権について争いのあるウッディー島において、既存の滑走路の延長工事を実施をして、拠点の整備を進めているほか、このウッディー島の戦闘機の展開をして飛行訓練などを実施しているという旨、報道されたわけです。


(昨今の南シナ海全般の)状況につきましては、わが国といたしましても把握をしておりまして、既成事実の積み重ねに対して、あらためて深刻な懸念を表明したいと思っております。

いずれにしても、これまで述べてきているとおり、南シナ海における大規模かつ急速な埋め立て、また、拠点の構築、その軍事目的での利用など、現状を変更して緊張を高める一方的な行動は、国際社会の共通の懸念でありまして、わが国としては、開かれた自由、そして、平和な海を守り、国際社会と連携すべきだと考えております。今後、こういった動向を引き続き、注視をしてまいりたいと思っております。





Q:南沙諸島にレーダーサイトを建設しているという話もあって、これについては中国も半ば認めるというか、当然の権利だというような態度を示しているわけですけれども、こうした中国の態度についてはどういうふうに思われますか。

A:これは、防衛省としても、重大な関心をもって情報収集・分析に努めておりますが、公開をされた衛星画像におきましては、レーダーのようなものが見られますが、個々の具体的な内容等につきましては事柄の性質上、お答えは差し控えたいと思います。

他方、中国は、この南シナ海において、大規模かつ急速な埋め立て、施設整備を行っております。「軍事化の意図はない」と言いながら軍事施設を置いているということを認めております。ハリス太平洋軍司令官が米上院の公聴会で、「中国は、今まさに、人工島を自らの軍事能力の前方展開のための作戦拠点に変えつつある」と証言をしたと承知しておりますが、私も概ね同様の認識を持っております。


このような中国の行為というのは、一方的な現状変更、そして、その既成事実化を一層、一段と進めようとする行為でありまして、深刻な懸念を表明したいと。そして、これを控えるべきだと考えております。防衛省としては、引き続き、中国の南シナ海の動向を注視しまして、「軍事化の意図はない」との自らの発言を踏まえて、より透明性のある説明を求めていきたいと思っております。

0 件のコメント:

コメントを投稿