2016年1月8日金曜日

韓国、対北拡声器放送を全面的に再開するということを決定

1 発表事項

  なし。

2 質疑応答

Q:北朝鮮の核実験について、水爆ではなかったという見方も出ていますが、大臣のお考えをお聞かせ下さい。
A:政府としては、気象庁が探知した地震波、また、北朝鮮の発表などを総合的に判断しますと、北朝鮮が核実験を行ったものであると判断しております。北朝鮮の発表について、米国、韓国などの関係国と密接に連携をして、引き続き、分析・評価をしていく必要がありますけれども、この地震の規模から考えますと、一般的な水爆実験を行ったとは考えにくいと認識をしております。しかし、他方で今回の核実験が4回目となっていることから、核開発については、相当技術的な成熟が見込まれたということで、今回の実験は、通常の水爆よりは、実験でありますので小さく規模を抑えた可能性は否定できませんので、更に分析を進めて行く必要があると考えております。
Q:確認ですが、水爆とは考えにくいというのは、根拠というのをもう一度お聞かせ下さい。
A:一般的に、水爆は原爆よりも威力が大きいことから、水爆実験を行った場合にその爆発による地震波は、通常の原爆を用いたものに比して大きくなると考えられますけれども、今回の核実験による地震の規模はマグニチュード5.0と推定をされておりまして、過去3回の核実験と比べますと、大差がないということから、一般的な水爆実験を行ったとは考えにくいということであります。
Q:それは政府全体としての認識なのでしょうか。
A:米国、韓国はじめ関係国との連携や情報収集、その他分析・評価を行った現時点での政府の考え方です。
Q:放射性物質とか、その辺の根拠というのはあるのですか。
A:大気の調査は続けておりますが、大気中からは放射能が検知されたということについては、現時点で聞いておりません。現在、(財)日本分析センターで検査をしているということで、現時点におきましては、人工放射性核種は検出をされていないということです。
Q:今後も大気の調査というのは続けていくというお考えでしょうか。
A:引き続き継続して検知を行っていくということです
Q:水爆ではないというのは、どういうタイプの実験だったのか。通常型、ブースト型というのもありますけれども、その辺の分析を教えて頂けますか。
A:一般的な水爆実験を行ったとは考えにくいということでありますので、こういった点におきましては、水爆実験を行ったとしても通常の水爆よりは規模を小さく抑えたというような可能性は否定できないわけでありまして、更に分析を進めていく必要があるということです。
Q:核実験そのものは失敗だったとか成功だったとかそちらの方はいかがでしょうか。
A:核実験を行ったものだとは判断しております。成否については引き続きまた分析・検討していきたいと思っております。
Q:関連で、韓国政府は今日正午から北朝鮮に向けて大音量のスピーカーを再開させますけれども、これによってまた緊張が高まるのではないかという懸念もあると思いますが、その点について受け止めをお願いします。
A:韓国のNSCの事務処長が4回目の核実験は昨年8月25日の南北合意に対する重大な違反であるということから、本日、正午から対北拡声器放送を全面的に再開するということを決定した旨の発表を行いましたということを承知しております。これにつきましては、昨年8月にDMZで地雷が爆発をしたことを端緒として、この拡声器の放送を行って、これに対して北朝鮮が強く反発をして、砲撃事案が発生を致しましたけれども、この拡声器の放送によって南北間で再度緊張が高まるという可能性も考えられるわけでありますので、防衛省としては引き続き重大な関心をもって注視をしていきたいと考えております。
Q:日韓での防衛協力の一環で、GSOMIAの締結を求める声が政府内からも上がっていますけれども、この点について大臣はどのような御認識をお持ちでしょうか。
A:本件につきましては、昨年10月に訪韓をしまして、会談で日本から要望致しております。この点については、韓国の中で検討されるものだと思っております。
Q:交渉が2012年から開かれていない状態ですけれども、交渉再開というのを近く呼びかけるお考えはありますでしょうか。
A:北朝鮮のこういった脅威を受けて、ますます両国間の情報共有の必要性が高まっているわけでございますので、このGSOMIAの締結も重要なものであると考えておりまして、今後、機会があればGSOMIAについても働きかけを行っていきたいと思っております。
Q:核実験に続いて弾道ミサイルの発射の実験もあるのではないかという見方も出ておりますけれども、そうした兆候を含めて、防衛省としてどのように、今ご覧になっていますか。
A:そういった報道については承知をしておりまして、北朝鮮の動向に関する個々の詳細につきましては、事柄の性質上、お答えは差し控えさせていただきます。その上で、一般論として申し上げれば、今回の核実験に対する各国からの圧力、国際社会からの批判に反発して、今後、北朝鮮がミサイルの発射を含む更なる挑発活動を実施する可能性も否定できません。防衛省としては、引き続き、こうした活動・動きについて注視をしていきたいと思っております。