2015年5月31日日曜日

残業好きの国家公務員

中央省庁では、過酷な長時間労働が繰り返されている実態は、今も変わらない。十数年間霞ヶ関の中央省庁での勤務経験から必要止むを得ない長時間労働ばかりではないのが事実である。

もちろん、国会対応や概算要求など、職員を職場に長時間縛り付けざるを得ない中央省庁の実情があるのは、日本の国家を司る官僚たちの止むを得ない宿命ではある。特に国会対応などでは、議員からの質問が出るまで徹夜で職場に待機するいわゆる「国会待機」が常態化している。

しかし、必要やむを得ない残業ばかりかというと必ずしもそうとも言い切れないのところがある。

国家公務員の中には、長時間労働に慣れすぎて、仕事がなくてもなかなか帰ろうとしない者も少なくない。そもそもが、業務な内容が明確に線引きされているアルバイトなどと異なり、特定の所掌が定められ一定の裁量が認められている正規雇用の仕事など、やり方次第でいくらでも仕事など創造可能なのである。つまり、2時間で終わる仕事を5時間かけてやることも担当の裁量で可能となってしまうのである。

何をやっているかわからないけれども遅くまで帰らない職員、必要以上に仕事が丁寧過ぎて時間がかかる職員、単純に能力が低くて仕事が遅い職員など、無駄な残業をする職員が多いと職場全体に帰りにくい雰囲気が広がる。

特に中央省庁の国家公務員は、深夜や時に早朝まで仕事をして、次の日にまた朝から平気で仕事を始める人間など、長時間労働を美徳とする仕事中毒者が少なくない。往々にして仕事を出来るだけ早く切り上げて早く帰ろうという意識が中央省庁全体に乏しい傾向にある。それが効率的かどうかは考慮せず、プライベートや睡眠時間を削って仕事に打ち込むことが当然だとの古風な考え方に縛られている人が、未だに中央省庁の国家公務員に多いことは憂慮すべきことである。


ブラック企業の取締りや、ワークライフバランスの促進などを、民間に推奨する立場の中央省庁の国家公務員が、時代錯誤な労働環境で仕事をしているのには、本当に呆れ返ってしまう。